1.デフレ時代の事務作業

(1) 入金遅れにご注意 !
 

イ. 請求遅れをなくします
  売上先の請求締め日を確認し、到着期日までに届くように請求書を送付します。

ロ. 入金予定日の確認
  事前に集金担当者及び社長さんなどから、各売上先の入金予定日と入金予定額を確認しておきます。

ハ. 振込など入金額を速く確認します
  入金が無かった場合や内金の場合などは、未収残高を正確に把握します。

ニ. 集金催促・集金予定日の確認
  担当者及び社長さんに入金遅れの報告をし、集金の催促をお願いします。
売上先に対しては、支払月日・支払方法を提示して支払を促します。

参考  よくある相談実例
10 困った 延滞債権の回収



(2)

支払業務の見直し
 

A. 支払先からの納品書・請求書をチェックして間違いのないことを必ず確認し、過払いや2重払いを防ぎます。
  納品時には必ず検収し、単価違い・数量違い・サービス違いがないかを確認します。また、日々の在庫を確認して、余分な在庫を抱えないようにします。

B. 諸経費の見直しをもう一度しましょう。
  高速料金など、月一回の口座振替にすれば、15%〜20%の割引きを受けられる制度もあります。

 
 

参考  知ればお得な事例
16 比較的細やかな経費の削減



(3) 事務作業の労力を少なくし、事務のコストダウンを目指し
ます。

A. 現金の入出金業務
   
 

イ. 先ず、現金の入出金をできるだけ少なくすれば、帳簿記入も金庫の開閉なども減らすことができます。支払はカードの利用で、振込支払・口座振替にし、また、お願いできる売上先は、できるだけ振込にしてもらいましょう。

ロ. 手数料は多少かかりますが、銀行のインターネット取引などの活用により、振込依頼書の記入の労力、銀行への行き来の時間が省けます。

参考  知ればお得な事例
15.経理コストを少なくするために (2)事務の省力化


B. 写す帳簿は?

イ. 仕入台帳・経費台帳などの帳簿をできるだけ少なくし、請求書・領収書を相手先別 にファイルします。
(一覧性に欠けますが、帳簿に写す手間がかかりません。)


ロ. 売上帳の必要性は、各事業所で異なると思いますのでご検討下さい。


C. 入金・出金伝票、振替伝票を使わない方法

必ず備えなければならない伝票ではありません。総勘定元帳があれば問題ありません ので出納帳などを正確に記入し、これらの伝票は省いていきましょう。

. 手書きの場合

★現金出納帳は自社だけの一覧式出納帳を簡単作成します。
従来の現金出納帳の様式は、科目を押印し、摘要を記入し、金額を記入する作業ですが、一覧式を使用すれば金額の記入と一部摘要の記入だけで済みます。

★普通預金・当座預金の取引は自社だけの記入シートを作成します。
普通預金などの出金は電気代・電話代など定例的なものが多いので、予め様式を作成しておき、金額を記入するだけにしておきます。その他の入出金は、追加記入します。
売上げ・売掛等の入金は別に一覧表を作成しておきます。毎月決まった取引会社は予め会社名も記入しておきます。 参考 サンプルB・C


作 業 の 比 較 表
 
従来の伝票・帳簿式
一覧式と振替仕訳記入シート
科目押印
必  要
一部のみ
記入部分
多  い
金額と一部摘要
出納帳の経費集計
拾い出し集計
縦計(簡単)

. パソコン入力の場合

日々の入金や出金領収書、預金通帳から直接入力すれば、自動的に集計されますので、必要な帳簿明細がすぐに打ち出せます。(データのバックアップはこまめにします)
また、同じ数字を各帳簿に転記する手間が大幅にカットされますし、転記ミス、集計ミスも防げます。

ソフトは、会社の規模に合わせて選ぶことができ、操作も簡単でパソコン初心者にも使いやすくできています。(当事務所で操作の説明を致します。)

会計ソフトは、家電量販店で3万台〜5万円台ぐらいで販売しています。

参考  知ればお得な事例
15.経理コストを少なくするためには (1)市販会計ソフト


経理処理 〜 従来の方法とパソコン使用との比較 〜
 
従来の経理処理
パソコンでの経理処理
経   費
安   価
ハード・ソフト代
長期的には割安
人手・労力
労力がかかる場合が多い
省   力
帳簿への記入回数
各帳簿に記入(多い)
一度の入力で各帳簿に集計
転記ミスに注意
集計・計算
計算ミスに注意
正確・即時
現金出納帳
手 書 き
自 動 作 成
預金出納帳
手 書 き
自 動 作 成
売 掛 帳 表
手 書 き
自 動 作 成


 (参考)資金繰り予定表と決算期末損益予定表
 
.

資金繰り予定表は、今後の資金の過不足状況を検討する上で必要な資料です。(銀行さんからの借入時の説明にも必要です)
例えば来月以降の給料支払・業者支払・経費の支払のために資金が十分か否か、また、資産を購入する予定がある場合は自己資金で賄えるかどうかを判断したり、借入をおこさなければならない時期などを予測する為に大切な資料になります。
 

.

決算期末損益予定表は、現時点の経営成績から決算期末までの損益の予想をたてるもので、この状態でいけば決算期末に黒字か赤字かの予測ができるばかりでなく、予め各月ごとに売上げ・仕入れ・各経費の目標を設定しますので、その目標からの増減がわかり、期末までの改善策として、あといくら収益を上げれば収支目標となるかなど、期中で具体的な対策が立てやすくなります。
両者とも、エクセルなどの表計算ソフトで簡単に作成できますので、短期・中期・長期のそれぞれの計画をたてるために、大変役立ちます。(作成説明を致します。)


D. 経費科目の区分けの仕方
勘定科目は、自社に合わせて自由に科目設定ができますので、分かりやすい名称にしましょう。

従来の科目名称
わかりやすい科目名称
法定福利費
労働・社会保険
交 際 費
接待飲食代
慶 弔 費
接待ゴルフ代
車 輛 費
車輛維持費
(ガソリン、車修理、車検など)
預 り 金
社保預り金
源泉預り金
福利厚生費
従業員厚生費
中 退 金
保 険 料
車輛保険料
生命保険料


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