4. 給与と賞与の計算の仕方

(2) 賞 与
 

源泉所得税    「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」より算出します。
賞与前月の「社会保険料控除後の給与」と扶養人数から%を求め      それを賞与額にかけます。
※税額表は、毎年税務署から会社へ送付されていますが、お手元に無い場合は、当事務所又は各税務署までお問い合わせください。

健 康 保 険    総支給額から1,000円未満を切り捨て、適用% をかけます。
 (40歳以上の方は、介護保険料率 を加えて 適用% をかけます。)

厚 生 年 金    総支給額から1,000円未満を切り捨て、適用% をかけます。

雇 用 保 険    総支給額に、適用%をかけます。

例 題
   賞与総支給額 400,000 円で扶養親族が 1人の場合

賞与支給月の前月に支給した給与
総支給額 200,000 円 
健康保険 
9,960 円
   
厚生年金 
16,766 円
   
雇用保険 
1,000 円

1. 賞与前月の「社会保険控除後の給与金額」を出します。

総支給額
 
社会保険合計
   
200,000
(9,960 + 16,766 + 1,000)
172,274


2. 源泉所得税
金額 172,274 円、扶養1人で源泉徴収税額表から 税率 2%

賞与から社会保険料等を差し引き
 
税率
 
源泉所得税
(400,000-55,452),
×
2%
6,890 円


3. 健康保険・厚生年金
 
賞与額
 
保険料率
   
健康保険 
400,000
×
適用 %
19,920 円
厚生年金 
400,000
×
適用 %
 33,532 円

4. 雇用保険
金額 400,000 × 適用 % = 2,000円

5. 支給額
賞与額
 
社会保険合計 55,452円
 
源泉所得税
 
支給額
400,000
(19,920 + 33,532 + 2,000)
6,890

337,658 円
 



源泉所得税
源泉徴収税額表で、社会保険料控除後の金額と扶養人数の交差した金額が所得税となります。
徴収した所得税は、翌月10日までに(従業員が10人未満の場合は申請により 7/10と1/10、(特例届出は1/20)の年2回)金融機関の窓口または、税務署の窓口で納付します。
税額表は、毎年税務署から会社へ送付されていますが、お手元に無い場合は、当事務所又は各税務署までお問い合わせください。
住 民 税
 個人が納める県民税と市町村民税が住民税です。納税方法には、会社が所定の税額を給与から控除して納付する特別徴収と、納税者(従業員)自身が納付する普通徴収があります。
 会社は原則として特別徴収をしなければならず、毎年1月31日までに各従業員の住所地の市町村役場に給与支払報告書を提出します。
各市町村からは、その報告書に基づいて5月頃に各月別に納付税額が 記載された納付書が送付されてきます。
送られてきた納付書に基づき、当月分を翌10日までに金融機関の窓口に納付してください。

参 考
給与計算にパソコンを使うと、給与の計算が簡単に出来るので事務処理が楽になります。
給与計算ソフトには「給料王」や「弥生給与」などがあります。

「給料王」の場合
対話形式で質問に答えていくだけで自動的にデータが作成できます。
基本情報を作成すれば健康保険・厚生年金・雇用保険・所得税などが自動計算されます。
もちろん、作成後に給与体系や基本情報の変更も可能です。
給与明細書・賞与明細書・源泉徴収票などのあらゆる帳票が印刷出来ます。
「給料王」のソフトの値段は3万円前後ですが、給与計算が正確にでき時間が大幅に短縮されます。


参考)年末調整について
 

. 年末調整とは
役員及び従業員の一人一人について、毎月の給料や賞与などの支払の際に源泉徴収した税額と、その年の給与の総額について納めなければならない年税額とを比べて、その過不足額を精算する手続きを言います。

1. 給 与 所 得 給与総収入(非課税交通費分控除) - ※給与所得控除
2. 所得控除など

社会保険控除.生命保険控除.扶養控除.
住宅取得控除など

3. 年 税 額 (給与所得 - 各種控除分)×税率
給与所得控除額は、税務署から配布される「年末調整の手引き」を参照していただくか、
当事務所にお問い合わせ下さい。


ロ. 年末調整できない人
1. 年の途中で退職した人
但し、死亡退職の人や12月支払の給与を受けた後に退職し、他からの給与の支払がない人は年末調整を行ないます。
2. 2ヶ所以上から給与の支払を受けている人で「扶養控除等(異動)申告書」を、
提出していない人 又は他の給与支払者に提出している人
3. 給与収入が 2,000万円を超える人

. 年末調整に必要な書類
提 出 書 類
添 付 書 類 他
扶養控除等(異動)申告書
住所・氏名・生年月日の記名押印(ふりがなをつけて)
配偶者・扶養親族の氏名・生年月日の記入
扶養親族の収入記載 父母の年金等収入
子供のアルバイト収入
配偶者特別控除申告書



保険料控除申告書
配偶者の年収見込額を記入
(配偶者に収入がある場合)
生命保険控除証明書
個人年金保険控除証明書
損害保険控除証明書
国民健康保険税(当年支払額)
国民年金保険料(当年支払額)
小規模企業共済等掛金控除証明書
住宅取得等特別控除申告書
借入残高証明書(12月31日予定残高)
(初年度は確定申告を行ないます)
前職の源泉徴収票
今年中途入社で前職がある場合
本年の年金受給通知書
本人や扶養親族が年金受給者の場合
障害者手帳のコピー
本人や扶養親族が障害者の場合

. 過不足の精算
各個人の源泉税の過不足の精算については、年末などに支払う給与で還付、又は徴収します。
税務署への納税については、翌年1月以降に納める税額で調整しますが、各個人への還付分については差し引いて納付し、不足分は加算して納付します。




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