5. 倒産予防の自己チェック

(1) 社長自身の意欲は落ちていませんか?
 
社長の元気と笑顔が会社再建の第一歩となります。
処方せん (モチベーションのアップ)
 
やる気が落ちている時は
社長の健康面は、大病や障害で日常生活に支障がある人から見た場合はどう映るでしょうか?
社長の経済面は、子供の学校費も払うのが困難な人から見た場合はどう映るでしょうか?
社長の食事は、食糧事情で貧しい国の子供たちから見た場合はどう映るでしょうか?
明るく元気な社長や景気のよい社長と話しをする機会を得て、刺激を受けることも一つの方法です。
また暗く不景気な話しが多い社長との会話は、同病からか居心地はよいかもしれませんが、解決策がでない場合が多いようです。
時には友人等との会話でリフレッシュができれば〜
そして元気を出して、もう一度マインドを上げていき
ましょう! (楽しみや張りを持つことも〜)

(2) 否定的な考え方になっていませんか?
 
「それはできない」  、「無理ダ」、やる前からあきらめては?
「業界が悪い」、「社会や国が悪い」など言ったらきりがありませんし、それで解決はできません。
社長が否定的な態度が多いと、社長にアドバイスしてくれる人は社内・社外を問わず少なくなりますし、人が去っていくことにもなりかねません。
(また社内では社長が孤立ぎみとなり、社長に反対意見を述べる人もいなくなります。)
処方せん
* 社長一人で悩ないで、みんなの意見を参考にして商売の作戦を練り直します。 そして社長の孤独感は、自分一人の会社という思いからもきているので、そう思わないで社内や社外の事業関係者の力を素直に借りましょう!
一人で悩んで健康を害したり、命を落とすようなことは避けましょう。
元々、命とお金は比較する対象ではなく何と言っても命が大切です。
(お金では買えない健康・友情・愛情などが本当に高価な財産では・・)
* 愚痴は少しにして、このデフレ時代を乗り切れない自分の努力不足等を反省すること も必要ではないでしょうか?(反省から改善が生まれす。)

(3) 聞く耳を持っていますか?( 拒絶の姿勢から受入れる姿勢へ)
 
* 毎日の生活を共にしている妻や夫の声を聞いていますか?
* 例えば会社の仕事をしている妻は、自分の家族の生活の基盤である会社のことは誰よりも心配していますし、夫より早く危機感を持つことが多いようです。
また女性の直感は、会社の小さな変化を見逃さず真実の的を射ることも多いと言われてますが……如何でしょ
うか?
* 現状の業務だけで「忙しい・忙しい」では、将来ビジョンを練り直し、経営方針を転換することは なかなかできません。
処方せん
身近な人だからこそ良く聞いて、その考えを一度受入れてみます。
今後の商売方針の決定の際に検討を加えることが必要でしょう。

(4) 収入対策をしていますか?
 
中小・零細企業は、何といっても売上や受注対策が先ず優先
されます。
  支出削減対策は、どの会社も相当行ってきていますが、収入を図る対策はそれ以上に大切なことが分かっていても、苦戦しているかまだ見い出せずに苦悩しているのが現状です。 収入を図る考え
粗利益を確保する為に、仕入れ・外注などの単価が値下がりしていますか?
  ご存じの通り、売上単価が下落傾向では仕入れ・外注などの単価が連動的に値下がりしなければ、自社だけがサンドイッチとなり粗利減少に絶えられる でしょうか!

(5) 支払手形依存を少なくする対策を…
 
* ご存じのように支払手形や融通手形を切らなければ不渡りから起こる倒産はありません。現金支払いの会社は支払いが苦しければ支払いを延ばすか内金払いで当座をしのぎます。そして徐々に信用を落としていきますが、直ぐに倒産とはなりません。
* 手形決済などの為に朝から晩まで金策に追われ、会社再建の作戦を立てるどころではなくなる。
処方せん
短期的には支払手形残高に相当する借入金が必要ですが、借入れができないか又は借入れが少しの場合は、毎月のように時間をかけて支払サイトの見直しやへ借入金への転換を図ります。

(6)  財務状況のチェックを!
 
* 次のAからEに到る段階では、社長一人で考え・悩まないで社内と社外から会社再建の協力者を得ることが、社長にとって最初の重要な仕事となります。
* そして、社長自ら主催して再建協議を繰り返し行い、作戦を練り直し具体的な行動に移していきます。
* なお、真の協力が得られるかどうかは、社長自身がカッコを気にせずにさらけ出し、素直に受入れられるかどうかだと思います。
A 借金を借金で返している
(仕入や外注費等が支払先行の為、売掛入金や工事入金等で返済できる短期的な借金等を除く。)
  設備資金や赤字補てんの為に借りた中長期的な借金等は、ご存じの通り会社の利益や減価償却費等を源資として返済(その源資が少ない場合などで社長給料からの返済を含む)するものです。そして月次の試算表や決算書では次のような状況です。
ず〜っと借金残高が減らない。
新たな投資や売上や利益を増やす為の積極的な借金等が無いにもかかわらず、2〜3年前と比べて又は期首と期末の借金残高が同じかそれ以上。
借金残高と月商倍率
借金残高が多いか少ないかは、毎月の利益等から借金の返済ができているかどうかで判断すべきですが、一つの目安として見ます。
借金残高が月商の3倍前後から注意が必要で、4〜5ヵ月で要注意となり、一般的には6ヵ月〜1年分で危険な状況となります。
B 社長の給料が、結果として借金で賄われている
  資金収支が赤字で、さらに帳簿上の損益も赤字の場合には、社長給料(生活費相当分)の一部またはそれ以上が借金等の増加分に比例する場合などです。
C 追加的な借金ができない場合など
 
* 支払手形による支払いが徐々に増え、残高も増加している。
* 買掛金や未払金の支払いが、決められた支払日に支払えず内金払いとなり、買掛債務の残高が月商倍率から見ても増加している。
D 通帳等の残高不足
  借金返済や社会保険・その他の自動引落としができない場合が時々ある。
E 給料の支払いが遅れる。
  借金返済や社会保険・その他の自動引落としができない場合が時々ある。

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