D.労務相談

1. 従業員採用時の身元保証は?

(1) 保証期間
 
身元保証は、期間を定めた場合は最長5年です。
期間を定めない場合は、3年(見習い者5年)です。
自動更新の定めは無効ですので、定期的に更新が必要です。

(2) 身元保証人の責任
 
損害額の全額が保証負担となるわけではありません。
会社などの監督責任や保証人になった事情などを総合勘案されます。
(裁判などでは、その損害額の2割や4割の負担という事例があります。)

(3) 不正防止
 
 先ず、不正防止のチェック体制を築いていくことが課題となりますが定期的な保証契約は不正の牽制にもなるでしょう。


2.
問題社員の解雇などはどうするの!

(1)就業規則を整備

 
就業規則で減給や解雇理由の項目をはっきりと列挙します。
例えば、再三の欠勤等、勤務成績の不良、再三の業務指示などに従わないとき
心身障害や虚弱によるとき、業績不振や過剰人員による整理解雇など
就業規則は 常時10人以上の労働者を使用する場合」は、労働基準監督署への 届出義務があります。 (常時雇用のパート等の人数を含みます。)

もし忘れても社員等への周知があれば就業規則は有効ですが10万円以下の罰金規定有り。

会社では誰でも閲覧できる場所に備付けて社員等に周知します。 (公正に選出された社員代表者の意見書を添付)

(2) 解雇予告通知
 
改善されないときは、正社員や期間の定めの無いパート社員の場合は30日前に解雇予告通 知書を渡します。就業規則○条の解雇事由に該当)
 (口頭でもできますが、できれば文書で)
但し、試用期間14日以内の場合は、解雇予告の必要がないとされています。
 (雇用期間のあるパート等でも、契約が反復更新されているときは予告が必要です。)
解雇できない期間
業務上のけがや病気で休んでいる間と休み明け30日間
女性の産前6週間・産後8週間と休み明け30日間

(3) 予告手当
 
即時解雇の場合は、平均賃金の30日分の解雇予告手当を支払わなければ なりません。 (受取り拒否は、法務局へ供託となります。)

 
* 支払いは解雇当日となり、後日の支払いは無効となります。
 
* 現金での直接支払いの外、口座振込みや現金書留も認められます。
 
* 解雇予告期間中の有給休暇申請は、許可することになります。
 
一日の平均賃金は
 
 尚、平均賃金は欠勤控除等や有給日の賃金そして雇用調整での休業手当(60%)を計算する場合にも使います。

また,減給額では一回の制裁につき、一日の平均賃金の1/2までの額とされ 一ヵ月に数回の制裁でも、一ヵ月の賃金の10%までとされています。賞与も同じです。

(4)同業他社への転職

  原則として職業選択の自由は憲法で保障されており、就業規則で
 規定できることは、退職金を支払わないこと等を定めることです。

 

3. 雇用契約書で期間を決めたら〜

(1) (期間満了退職または更新)
   社員等の雇用では、雇用契約書で期間を定める場合は最長で一年とされ、その期間が満了すれば更新するか退職扱いかの選択をすることになります。
(契約が反復更新で、実質は期間の定めがないものと同様な場合は次の(2)と同じ)

(2) (解雇予告必要)
   これに対し雇用契約書で期間を定めない場合や契約書を交わさない場合は、上記(1)のような選択はありません。

 


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