1. 日本のデフレはどのぐらい続くのか?
   「どのぐらい続くのか」 と聞かれますと正確には言えませんが、大変な状況を除けば 10年ぐらいは続くのではないでしょうか?
 
大変な状況とは戦争による物不足や異常気象による食糧不足などです。
                           (モノ不足が起こるようになるとインフレ転換)
(長期化する理由として)
 米ソ冷戦構造の崩壊から東西諸国の輸出入が活発になり、世界単一市場に なったと言われています。
         (経済の国境が徐々に消え、賃金の安い国 での生産品が多くなっています 。)
 
 我々一般庶民においては、 国の財政赤字による増税等と企業の人件費抑制策から 手取り収入が伸びる人が少なく、節約行動のウエートが多くなり消費の盛り上がりに欠けて、供給過剰感から価格の低下 や横這い傾向が続くと思います。
 日本では国や地方の厳しい財政状況から、公共工事の見直しや発注単価の低下が起きています。
 アメリカが景気後退の方向に向かえば、日本の輸出の供給過剰感から
国内で価格の低下傾向を招くと考えられます。
     


2. 為替は円高・ドル安? (ドル資産での運用の質問から)
  「為替はどうなるのか」という質問ですが、対ドルでは過去から続いてきている円高傾向が、消去法的 ですが当面続くと思います。
 
 「日本の厳しい財政赤字から国債が売られ(いわゆる日本売り)、円安となり長期金利が 上昇する」という考えもありますが、まだ先では・・・?
 あまり円安を放置すると、アメリカの輸出が伸びず貿易赤字も拡大し、日本売りから長期金利が上昇すれば、日米の金利差が縮小 しアメリカへの投資(NY株式や国債購入)は減少し、アメリカも困ります。
(円高傾向の理由として)
   日本の厳しい財政状況からすれば、「積極的に円を買うという状況ではない」と 言われていますが、アメリカも毎年財政赤字であり、それと貿易赤字による対外純借金は多く、累積で膨大なドルが余っている状態だと言われています。 (ドル過剰は、いずれドル安要因にも・・・)
 
 アメリカは輸出より世界各国からの輸入が多い為、国債の発行という借金でその支払いを賄っている状態です。 (支払いによるドルの流失。)
 アメリカが金利を高め誘導しドル高政策を維持するのも、世界各国からの 投資資金を流入させて国債を売るためとインフレ懸念からと言われています。 (国債発行で、流失したドルが還流されます。)
 アメリカが景気後退の方向に向かいドル安となれば、為替差損が発生しアメリカから資金流失が多くなる ことが懸念されます。
 

 


3. 金利は上がるのか?
   「日本の金利は上がるのか?」という質問もけっこう多いのですが、デフレ圧力と日米の金利差 の維持及び日本の借金を考えれば 、当面の間あまり上がらないと思います。
 
 日本では、ある程度インフレにしたいという政策はあると思いますが、このデフレ時代の 長期化を考えると難しいと思います。
 日本国債の売りによる長期金利の上昇も考えられますが、企業や個人消費でモノへの需要に向かって、そして資金需要が高まらなければ、結果的に金利は上がりにくいと思います。
金利上昇で一番困るのは、借金の支払いに追われる政府になります。
   


4. 土地は上がらないのか?
  よくある相談実例集の「会社と個人事業の共通 」(2) を参照して下さい。