*財政コラム

(1) 福島県の財政状況  (平成16年4月・福島民報記事より)

 2月定例会で知事は、「極めて厳しい財政環境の中で〜」と言っていましたが、県の財政状況はどうなっているのでしょうか?

  (参)平成16年度予算から概算
 
支 出 計
9,090 億円
収 入 計
8,010 億円
借金の返済
1,330 (収入比16%)
県 の 収 入
3,970
人 件 費
2,870 (収入比35%)
地方交付税
2,330
建設等支出
2,000
国庫補助金
1,570
そ の 他
2,890
そ の 他
0,140
  差額分・新規借金
1,080 億円
(うち、臨時財政対策債360億円)

* 過去5年における県の借金残高は、約1兆1,000億円〜1兆2,000億円
(うち、臨時財政対策債1,260億円)
* 今後5年間における一年間の借金返済予定額は、約1,300億円
*

*
なお過去5年における県の財源不足公表額は、一年につき約300億円

 また17年・18年度の2年間での財源不足は、約680億円 (16年9月民報より)

これは一般個人の貯金に相当する主要4基金という貯金を使い果たしての額との事。  (財政調整基金、減債基金、社会福祉施設整備基金、公共施設等整備基金)

 そこで対策としては、財政健全化債という借金を200億円追加公債費の
返済を繰延べ平準化で200億円を単年度で支出減、人件費で30億円削減、そして残りの250億円は、公共事業費や補助金支給を減額予定。


 なお臨時財政対策債とは、その借金返済額が後で地方交付税で補てんされる借金です。 (借金返済分が、国から貰える。 元は国の借金分)



(2) 郡山市の財政状況
  (郡山市16年HP掲載より)

  (参)平成16年度予算から概算
 
支 出 計
1,050  億円
収 入 計
920  億円
借金の返済
172 (収入比19%
(うち、減税補てん債54億円)
市 の 収 入
570
人 件 費
165 (収入比18%)
地方交付税
150
消耗諸経費
170
国・県補助金
122
建設等支出
180
そ の 他
078
そ の 他
363
-
差額分・新規借金
130 億円
(うち、臨時財政対策債 40億円)



(3) 粗利益と借金返済について (16年度予算等を参考とした概算値)

A、粗利益

収入
人件費
粗利益
億円
億円
億円
 イ、福島県
8,010
2,870
5,140
(64%)
 ロ、郡山市
 920
 165
 755
(82%)


 (注1) 収入は、借金による収入を除く。(公債の新規発行収入などを除く)
 (注2) 行政コストとしての減価償却費は、収支の粗利益計算上では除外。

* これは減価償却費と取得借金等の返済額が、税務上での耐用年数と実際の借金の返済年数が一致しないことから。
 
* 建物などで国からの補助金で建築した部分の減価償却費は、粗利益の計算に反映させない。

B、借金返済 対 粗利益

借金返済予定額
*
粗利予定額
*
億円
億円
粗利比 %
 イ、福島県
1,300
5,140
*
25.3%
 ロ、郡山市
 110
 755
14.5%


* ここでは参考上、サラリーマン等の給与収入は100%粗利益として考えます。

住宅ローンの返済が、年収比で見た場合の割合。


*

中小企業では、[ 売 上 − 売上原価 = 粗利益 ]

借金の返済額は、粗利益の%

借金の残高は、月商の何倍かなど・・・